北米を長期取材撮影するのが夢


 先日アップした「EOS 20Dで撮った2008年のシアトルおよび一部ベガス」、ご覧いただけましたか? なんだかこう、写真は下手なのにネタが強いので、ああブログ記事らしいブログ記事だよねという感じがします。

 このフォトジャーナルを始めるずっと前から考えていたことがありまして、それはあちこち行って撮るのがどのみち楽しいのだったら、それを仕事にしてしまえば良いよねえ、ということ。
 またその延長線上に、いつか北米を長期で撮りまくりたいなあ、と思っています。

2007年! SF! また撮りに行きたいなあ

旅撮りを仕事に

 わたくし率直に申し上げて旅そのものが好き、というわけではないんです。

 普段暮らしている地域を離れて、珍しいものを見ればたしかに「わー」と心のどこかで何か新しいチャンネルが開くような、脳の中で平時は眠っていた回路に通電するような、旅に出たなりの気持ち良さを感じる部分はあるのですが、基本的にはいつもいる西東京のスタジオから出たくないんですね。
 つまり旅全体の中で、どこか見知らぬ土地に行くのは楽しいのだけど移動は苦手。これは健康不安とも直結しています。

 それでもなぜ旅に出るかといえば、それはひとえに写真が撮れるから! それ以上の楽しみはありません。

 そりゃもう普段撮れないものが撮りたいなら、暮らしている場所から離れた方が良いですし、離れたら離れただけ生活様式も考え方も違ってきますから、写真もやっぱり全然違ってきます。

 その一点だけが楽しくて、乗りたくない飛行機に耐え、言葉も分からない中を「ううう」と言うことを聞かない体と相談しながら、飯もまともに食えない状態で撮りに行っているんですね。いや好きでやっていることなんですが、我ながらよくやるわと思います。

 わたしが海外に出て、一泊ごとに泊まる場所を変えながら撮る旅ブログスタイルを採らず、ある程度の日数同じ場所に滞在して撮りたがるのはそのあたりが大きいんですね。体調の管理がしやすい。やっぱり移動して撮って移動して、というのはちょっと不安があります。

 何はともあれ、点々とするなり半定住の形を採るなり、どちらにせよ何かしらの形で旅をして撮るのであれば、それを仕事にしてしまっても良いかもしれない、といつからか思うようになりました。

 ちなみに過去の旅写真はここにまとまっていますのでよかったら見てね。

媒体でやるのが普通

 一般的に、旅をして写真を撮って文章を書いてというのは何かしらの媒体で掲載することが多く、私のようにコンテンツを作る側の人間はそこでの掲載を目指すことが多いと思います。とくに商用と考えると、ゼロから旅ブログを立ち上げて……とやるよりも媒体での掲載を目指したほうが早いですし、媒体の持っているブランド力、知名度が利用できますから有利です。

 雑誌なりWEB媒体なりが先にあり、そこに掲載するコンテンツをカメラマンやライターや、それらを兼ねた人が編集部から「ここへ行ってきて」と予算をもらって行って撮って書いて掲載して、それを雑誌なら販売し、WEBなら広告やなんかで資金を回収してギャラを払支払ってもらう、という形。紙の時代からずっとこれが続いてきました。

 このやり方のメリットは資金が媒体側にあるので、請け負う個人としてリスクが少ないんですね。かわりに媒体には編集方針というのがありますから、そこに沿わないといけませんし、媒体の中の人たちとのお付き合いもあります。

 ご機嫌を損ねると仕事が丸ごとなくなるのが請負仕事のフリーランスの辛いところです。これは程度問題ではあるものの、上から下へ仕事が降ってくる構造上、理不尽に耐えなければならないということでもあります。

 わたくし最近、自分だけで動いているので、人のペースに合わせるのがとことん苦手なんだなというのに気づいてしまいました。

 まあ要は人間修行が足りないということなのですが、媒体と仕事をしようとすると、そこに営業に行って仕事がとれるかどうかという問題にプラスして、先方はほとんどの場合会社組織ですから、会社員の方もしくは準会社員の方が担当することになります。

 10年ほど色んな会社と取引させてもらった経験上、単純に撮影を請け負って「撮って」「はいよ!」とやっているうちはタスクがシンプルなので特に問題も起きなかったのですが、新たに仕事を作り出そうとすると、途端に上手く行かないケースが増えて来ているのを実感しておりました。

 会社組織の考え方、動き方と個人の考え方、動き方ってタイミングから方向性からすべて違うから仕方がありません。私の表現をするなら「つまらなくしないと上司がハンコ押してくれないもんなあ」という感じ。そうしてつまんなくしてでもビジネス化するのがビジネスマンとして正しい、というのは分かるのですが、私は別に誰かの意識改革をしたいとか、そういう大それたことがしたいわけではなく、単に面白いものを私が面白いと思う形のまま提供したいだけなんですね。

 じゃあ、まあ、一人でやりますか、という感じ。

 何をネタにするか、どういう角度から切り込んでいくかというのも、一人であれば勝手に試行錯誤しながら進めることができますし、その試行錯誤そのものをコンテンツにしてしまえば良いじゃない、と思うんですね。

ペイしないよねえ

 ただ、私が好き放題やったからといって、それがお金になるかというと別です。

 ビジネスのようでビジネスでない、だけど赤字にはならずにちゃんと収益化したい、という甘えた目標を掲げた私にとって、ひたすら趣味でブログをやり続けるのは、やる分には楽しいんだけど社会人として「まずい」という感じなんですね。

 ですから、収益化する、ブログで取材する取材費をちゃんと捻出できるように、と考えると、皆さんがお金を払ってでも見たいものをコンテンツとしてこしらえなければなりません。

 こういったことはどれだけ考えたところで机上の空論に過ぎませんから、実際に行って撮って記事にして、こちらも楽しく皆さんも面白がってくれるようなもの、の良いバランスを探っていくのが一番だと思います。

 その先に、北米長期取材旅行がしたいなあ、というのが目標といいますか、現在のところ夢ですね。

北米

 若い頃ギターを弾いておりまして、だいたいアメリカの音楽を聴いて育った感じなので、一度行ってみたい土地でありました。

 25、6歳の頃から、なんとなくご縁があってシアトルと実家のある名古屋をちょいちょい行ったり来たりしてみまして、その間に写真を始めたこともあり、当時の写真は前回のブログのようにけっこう手元に残っているのですが、いかんせん当時は撮影技術がなく、またルポライター的な考えで写真を撮っているわけでもなかったもので、一つのテーマに沿って撮り貯めたり、一つの土地を丁寧に撮ったりしていたわけではありません。

 願わくば、今の技術を持って、しかもブログに掲載したり、あわよくば文章多めの写真集にまとめる前提で北米をうろうろして回りたいんですね。いや北米でなくヨーロッパだろうが南米だろうが、体力的に大丈夫ならどこでも良いんですが、お金がかかるという意味で北米を大きな目標にしています。

 予算はだいたい200万円くらいかなあ。まったく試算していないので適当な数字ですけどね。このフォトジャーナルのテーマのひとつである「しごと」を軸に人物を撮り、合間にひたすらスナッピングするという夢の暮らしです。

2007年から撮るものが変わっていないという

収益化

 日本で写真集を定期的に作り、写真展を開催しているような、いわゆる写真家さんの場合、日本国内では写真プリントがあまり売れないですから、欧米の写真家のようにプリントを売ることを軸にした良い収益体制になっていることはまずなく、広告写真を撮ったりして糊口をしのいでいることが多いように見受けられます。

 本来であれば、広告とアート写真ってぜんぜんベクトルが違うものなのですが、日本でSNS写真家という感じの人が意外なほど広告に近い人材で、なるほどアート写真風な売り方をしているけど広告っぽいのはそういうことか、とかいらん分析をしてしまったりもするのですが、それもひとえにアート写真を撮るだけで食っていけないからであります。

 私の場合、写真家活動もやらないとなーと思って作品を撮っていたらコロナウイルスで世紀末みたいになりまして、ちょっと出鼻をくじかれたので写真家活動は一旦お休みしている状態なんですね。

 写真家活動は写真家活動で継続するつもりなのですが、このジャーナルでやっているのは「プロのカメラマンの技能と、なぜか生まれついてもっている言語能力を組み合わせて何ができるか」でありまして、掲載している写真は広義では作品ですが、いわゆるアート作品としてプリント前提で撮り、編集したものかというとそうではありません。

 ですから、このブログを収益化するのであれば、WEBについてはこのジャーナルに掲載して見てもらってアフィリエイト収入、もしくはより手の込んだ記事であれば、noteで販売しているように単発の有料記事というのもアリだと思っています。

 また、北米取材旅行のように、一定期間、同じところで一定量の記事をまとめられるのであれば、電子にせよ紙にせよ書籍化するのもアリではないかという風に考えています。

 逆にいえば、そうやって出口が決まると、どこに取材に行って何を撮ってなにを書いて……というのが定まってくるものですから、現在わたくし一人でエキサイトしております。ああ早く取材に行きたい。

というわけで

 まずはコロナウイルスが収まってくれないとあれこれ始められないのですが、北米みたいにドカッと予算がかかるところからスタートするのではなく、アジアのご近所の国でおしごと取材をやって、ころころ転がしていくのがベストでしょうね。

 このジャーナルで形にして初めて「ああ、そういうことがしたかったのね!」と伝わると思いますので、その日を楽しみにしております。

それではまた。


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