Patisserie Libra・宇和島取材2022・その7


 今回取材で伺ったのは、開店準備で大忙しのPatisserie Libra(パティスリー・リブラ)さんです。業種は呼んで字のごとくパティスリー、イメージとしてはケーキ屋さん……なのですが、Wikipediaによれば「パティスリー (pâtisserie) は、フランスやベルギーにあるケーキや洋菓子を専門に扱うベーカリーの一種である。」とのことで、ケーキ屋さんと限定するより洋菓子店というほうが正しいようです。

 Libraというのはオフィシャルサイトにもある通り天秤のこと、聖闘士星矢世代のおじさんたちにはてんびん座の「リーブラ」で通じますね。そういえば以前どこかで、重さのポンドを表す略号がlbなのは、libraから来ているんだよ、と教わったことがありました。ケーキを作る際に材料の重さを測るのに多用されるところからLibraにされたんだろうなあ……と勝手に想像しています。

 なぜ勝手に想像しているかというと、開店準備中の恐らくいちばん忙しいところを横からパチパチ撮らせていただいたもので、お話を伺っている場合じゃなかったんです。
 これが一般的な取材であればもっと根掘り葉掘りやらんかい、ということになるのでしょうが、わたくし当初から海外の言葉が通じないところでも撮るつもりでいるので、これはこれで貴重な機会を頂いたということで行ってみましょう。

オーナーシェフの辻さん近影

 それはもう粛々と作業が進んで、ちょっと横から見ているだけでも、スポンジの上にクリームが塗られ、切り分けられてよく見るケーキの形になっていきます。
 厨房内の明かりそのままで撮らせてもらっているので、このクリーンな感じは現地の雰囲気そのまま写っています。

 厨房ではオーナーシェフの辻さんはじめお三方で働いていらっしゃるのですが、精巧なマシンのようにどんどん仕事をされている姿が壮観ですらありました。

 そしてふと、出来上がったケーキを大きな業務用冷蔵庫に入れているのを見た時、「そういえばこのお店、ほとんど全部電気で動いているのか」と気づきました。

 2022年は折からの発電不足に加え、LNG発電の燃料になるガスも戦争が始まってしまったおかげで調達価格高騰、さらには調達の先行きすら不安になっている状況で、政府から節電要請が出ている状態です。

 しかし洋菓子店では材料の保存から混ぜて焼いて完成品を保存して、とあらゆる過程で電力が必要ですから、これ停電になったらえらいことになるな……と恐ろしい気持ちになりました。

 業種により、どれくらい電力に依存しているのかはバラバラで、私のやっている写真業については一部バッテリー駆動するストロボ、パソコンもありますが、まあ大掛かりな商業撮影であれば大型のストロボを使わないと厳しいでしょうし、もし写真側がすべてバッテリーで賄えるとしても、例えば人物撮影をするのに電気がないとヘアメイクが出来ない、みたいなことも容易に想像がつきます。

 電力が不安だからといって前時代に戻ってフィルムにフラッシュバルブで撮影して、あとは化学反応でフィルム現像するからOKみたいな話にはならないわけで、やはり電力は産業の根幹だなというのをつくづく感じます。

 てなわけで今回、横からパシパシ撮らせていただきましたPatisserie Libraさん、ケーキから焼菓子まで揃っており店頭で眺めるだけで幸せな気持ちになりました。

 宇和島城のすぐ北側にありますから、観光に行かれた際にでも是非お立ち寄りを。


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