台湾とリポート(2)


ユニット撮り

 そこでふと思ったのは、これまで旅先で撮りながら想定していたのは、べたーっとその旅全体の写真をまとめるんだ、という形。つまり一つの旅をごそっとまとめて写真集なりの形にするしかないんだなあ、と思っていたんですね。

 もちろんどんな写真であっても最終的には何かしらまとめるしかないので写真集なりの形になるとは思うのです。たとえば自分のWEBサイトのギャラリーにも、一つの旅の中のすべての写真から抜粋して並べるわけで、まとめ作業はどのみち必要になります。

 しかし取材という考え方で旅写真をとらえてみると、どこへ行った、どこエリアを散歩した、という小ユニットで撮影を考えても取材として成立する、というかその方がブログ記事としてまとまりが良いでしょうし、移動中もダラダラと撮り歩いてしまってキレが悪かったのも改善されるかもしれないんですね。

 士林夜市の模様、だけで一つ記事になっちゃいますね。
 だらだらと毎日写真を撮っていると、そういう発想自体がないんです。

便利

 ただ、上手くやらないとただの旅ブログになってしまいますし、無理してYoutuber的な企画をやれば良いというものではありません。
 Youtubeでお笑い系の若い子たちが「いえーい!」とやっているのは微笑ましくもあるのでしょうが、40歳を過ぎたおっさんがやっても痛々しいだけです。

 ここで最近よく思うのが、どれくらい便利にするか、ということ。

 便利というのは、たとえば台北の情報を扱うのであれば、これから台北を旅する人に向けて「この電車はここから乗って料金がいくらで」というのをお知らせする旅ブログって、すごく便利ですよね。お役立ちです。

 ただ、お役立ち旅ブログ、私もどこかへ行く際にはお世話になりますが、写真の質は問われないんですよ。とにかく便利情報がメインなので、写真はコンデジで十分、という雰囲気。私も見る側として写真の質は全然問いませんから。

 それに対して、私が見せたいと思うところをミニマルに撮りに行くと、これはもういわゆる旅ブログとしてはどんどん不便で機能不全になっていきます。

 ですから、大枠では「台北良いところだぜ~」というのをお知らせしたいとは思うのですが、便利情報ではなく、写真で語っていきたいなあ、また来る人達がそこの芸を見に来てくれたらお互い幸せになって最高だよなあ、という風に思います。だって旅ブロガーじゃなくってフォトジャーナリストとしてブログを運営するわけですからね。最後はわたしの運営としての腕次第なのでしょうが、バランスの取り方は難しいだろうと思います。

記事構成

 最終的には、私がどこへ行ったというのが大枠で記事を作るベースになるわけですが、私がどこへ行った、何を見た、それをどう撮った、という写真と、写真を補うべく書かれる文章がセットで記事を構成します。

 これまでの旅写真では、本当に写真を撮ることしか考えていなかったので、ほとんど脳が稼働していないんじゃないか、と思うレベルだったのですが、noteで2019年にお訪れたウラジオストク訪問記を書いてみたところ、ああ毎日思ったことをちゃんと文字で記録しておかないといけないんだな、というか日記形式が一番良いな、という発見がありました。

 これは前述の小ユニット化につながる部分でありまして、毎日の旅日誌をブログで記すこと、また特筆すべきことがあればそれをフィーチャーしてより人に見てもらいやすい形で押し出すべきなんだな、という風に思います。

 結局のところ、旅ひとつをそのまま塊で考えていたことが自分にとってあれこれ認識しづらくしている原因だったんですね。ですねって私だけ納得していてもアレなんですが、一つ大きな問題が解決した気がいたします。

 最終的に、次にどこか、おそらく台北を訪れた際は、自ら特記すべき事柄を起こしていく必要があるんでしょうね。日々のスナッピングは放っておいても死ぬまでやりますから、ドンッと立つ記事が別途必要です。

 なにもよその国で犯罪を、というような話ではなく、ただ町をぶらぶらして散歩写真を撮るだけでは波風が起きた感じが一切しませんから、どこか派手なところへ行って派手な写真を撮るであるとか、現地の人に会って話を聞くとか、そういうことが必要になってきます。

 そうした波風を起こすテクニックというのは、これまで私自身が見て育ってきた雑誌やなんかのメディアでいくらでも事例があるでしょうから、それにインターネット時代のエッセンスをまぶして料理していくのが私の仕事と思います。めんどくさいなあ。

 やることが山積みですが、研究する対象があるというのは非常に楽しいですし、一人でメディア運営というのも楽しいものです。好きに出来ますからね。


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