こんにちは。
過去の旅写真をひとつのLightroomカタログに入れて管理しておりまして、ちょうど3年前の今頃、ロンドンをうろうろしていた日があったのを知りました。今日はその日の写真でも見ていただきましょう。
ごそっとまとめて写真を扱うと、ひとつの旅のすべての写真からセレクトし直すのはなかなかしんどかったので放置しておりまして、このジャーナルブログで扱った過去の旅写真記事は全写真の中から「これは使うだろうな」と荒くセレクトしたもののなかからピックアップしたものでした。
ところが今回、この7月11日と限定して残っていた写真すべてからセレクトし直したところ、「現地を紹介したいならこっちだよね?」という感じでセレクトが全然違うものになりました。
写真作品としてなにか見せたい、写真を撮る技能が見せたいみたいなところにどうしてもこだわってしまっていたんだなあ、と思うと同時に、現在のセレクトが違うということは、それだけ編集者としての視線になってきているということなのでまあ良いかなと思ったり、一応セレクトし直せるだけの幅が撮影時点であったということなので、その点についてもまあ良かったなと思ったりします。
やはり最近検討していた、「海外に出たらキャッチーな場所をちゃんと撮りに行く」「スナップはついでにするに決まっているから頑張ってする必要なし」「観光写真とまでは言わないがレポートとして成立する程度に証拠能力のあるカットは押さえないと」という方針で間違いなさそうです。
というわけで本編。
2018年7月11日
前日はトラブルがあって同行していた集団から離脱、リバプールからロンドンへ一気に移動し、ベーカー街でシャーロック・ホームズ像を拝むのでほとんど終わってしまったようなものだったのですが、明けたこの日は「どうせ日本に帰るなら一日くらい写真を撮って帰ろう」とスナップデーに割り当てました。
普通に考えたらビッグベンを撮ろうとか、ピカデリーサーカスを撮ろうみたいに、もっと明確な観光地を撮るべきだと思うのですが、この時の圧倒的な個人の興味は「ロンドンのリアルなガリガリ」でありまして、ガリガリのありそうなエリアを勘で探してうろうろして写真を撮ろう、という日になりました。リサーチは一切しておりません。
まずはベイカー街にある安ホテルに泊まったので、そこからスーツケースを引っ張ってウーリッジという町に移動します。
DLRという路線に乗って移動したのですが、これは地下鉄なのか路面電車なのか、何がどうなのか今でもよく分かっていません。あんがい料金が高かった覚えがあります。いま調べたらDocklands Light Railwayの略だそうで、言われてみればたしかにドックのあるエリアを走っていたなあ……。
ウールウィッチと読みそうになりますが、グリニッジ標準時と同じでウーリッジと読むそうですな。


現在計画しているジャーナルブログの方向性だったら、もうちょっとこのウーリッジを掘るでしょうね。トリップアドバイザーなんかを見てみると詳細に名所を列挙してくれて非常に親切。
しかしこの日は「写真が撮りたい!」なので、ホテルに荷物を預けたら速攻でウーリッジを出るとまたDLRに乗り、窓から良さげな景色が見えたWest India Quayに移動しました。

Canary Wharf

West India Quay駅はカナリー・ワーフという新興埋め立て・再開発地域の端に位置する駅で、このカナリーワーフのあたりはロンドン中心にある旧来の金融街であるシティよりも新しい企業が集まっているようです。
ビルは新しいものばかりなのですが、東京のようにつるつるっとした外観のものはなく、なんとなく渋いのがロンドンらしいなという感じ。どこを見ても落ち着いています。建材は普通に鉄やガラスやアルミなどなど東京でも似たようなものを使っていると思うのですが、どうしてこうも違いが出るんでしょうね。そのあたりも機会があれば探ってみたいもんです。





このあたりをウロウロした時だけで200ショットくらい撮ってしまっているので、次に行ったらカナリーワーフ行ったぜ、だけでブログ的には記事になっちゃいそうですね。
今回の写真、これでもだいぶ削っているのですが、カナリーワーフだけでも写真が多すぎてブログに適しているとは思えません。どうしても他のカットが見たい! という方については、Patreonに誘導してそちらで見ていただくのがベストという感じがします。実質有料ブログ会員さんという形ですね。
Limehouse

そんな感じでパチパチと写真を撮りながらまたDLRに乗り、次はライムハウスというところへ。DLRの車内から、停留しているたくさんの船と緑の藻が見えまして、こりゃ写真的に面白いんじゃないかと下車してみました。
まるでテムズ川が大腸ならライムハウスは盲腸のような感じで、テムズ川を行き交う船を引き込んで荷揚げしたりしていたようですね。現在のチャイナタウンはソーホー地区にあるそうですが、中国移民が移り住み始めた当初はこのあたりに住み着いていたようです。ライムハウスで検索してみたら、ロンドンのチャイナタウンを特集したページが見つかりました。面白い。
2018年時点のライムハウスは、ヤッピー的な人たちが住むおしゃれタウン的存在になっている雰囲気。





記念写真を撮るついでに私も撮らせてもらった写真を見て思い出しましたが、この日はフランス語圏から英語圏に移動して2日めだったので、私のつたない英語でも、とりあえず全く分からないフランス語よりは全然マシに通じる! というのが嬉しくて仕方がありませんでした。ものすごい開放感がありますね、言葉が通じるって。
フランス語圏でも駅やなんかでは英語で対応してもらえてありがたいなあ、と思うこと多数だったのですが、個人商店に行ったりすると全く通じないのが普通なので難儀しました。
それも旅の醍醐味といえば醍醐味なのですが、ルポライター的なことをしようとすると、現地でリアルタイムに言語の壁を超えないと得られない情報もありそうです。そのあたりもテクニックが必要になりそうですね。

King George V駅
そこからだいぶウーリッジ近くまで帰ってきて「おや?」なんだあの建物はとDLRを降りたのがキングジョージ五世駅でありました。日本だと国王の名前が駅になるというのは、ないことはないのでしょうがあまり目にする機会がないので、地名や駅名にガンガン国王の名前が使われているのを見ると、ちょっと不思議な感じがしますね。
そういえばイギリス人は場所の名前、滝の名前、船の名前と王族の名前をガンガン使いますね。アメリカは王族がいないから偉人かな。名付けに国民性が出ますし、そもそも個人名もキリスト教圏だと聖人から採る場合が多いもんなあ。
キングジョージV駅はロンドンシティエアポートのすぐ近くでありまして、DLRを降りて徒歩で到達することも可能な距離です。
駅の周りにこぢんまりとした住宅街がありまして、そのあたりがいかにもロンドン! という感じで嬉しくなりました。




Woolwich Arsenal駅に帰還
一箇所あたりの時間は大したことがなく、ただただ写真を撮って歩いて適当にDLRに乗って次の場所へ、と移動してきたもので、虚弱な私でも体力的に余裕がありました。
ウーリッジに戻ってホテルにチェックインすると、ホテルの部屋は窓なし。安宿だから仕方がありません。
何しよっかな~写真を撮る以外に用事がなくて困っちゃうな、と思っていると、外から「わあ~」っと声が聞こえてきまして、すわ暴動か、というのでまたカメラを持って外に出てみることにしました。どうせやることがないならスナッピングです。

そう、この右のあんちゃんが「それフィルムカメラだよね? 俺たちを撮ってくれよ」と声を掛けてきてくれまして、いやデジタルなんだけど撮って良いなら撮ろう、とパチリ。Panasonic GX7Mk2でありました。今日の写真は全部GX7Mk2です。


うろうろパチパチ、楽しいなあ……知らない土地で見たことのないものを撮り、しかも立脚している文化的な土壌が日本とかけ離れている土地って何もかもが新鮮で最高だなあ……と幸せいっぱいでした。
ホテルの近くまで戻ってくると、歓声の原因がようやく分かりました。

ワールドカップかなにかでイングランドのチームがどこかと対戦だかなんだか。ごめんなさいスポーツに全く興味がないので「あ、そうなんですね」くらいの感じ。
しばらく集会の様子を撮って終了でした。
まとめ
これ実際に記事にしてみて初めて分かることも結構ありますね。
まず今日の記事内でも書いたことですが、写真の分量がこれでも多い! 写真をとにかく大量に見たいと言ってくれる写真仲間の方もいらっしゃるんですが、とはいえ延々とこの体裁で写真を大量に並べておいても飽きますよ絶対。あとひとつの記事があんまり長いのも考えもの。長くなるなら文章でそうなるべきですね。
写真を大量に見せる場合は、やっぱりブログの体裁ではなくなにか別のものが良いなと思いますね。それこそPatreonに勧誘して写真だけ集中して見てもらうのがベストのようです。ブログは写真より文章の方を押し出していくべき。
あとは写真のセレクトについて、今回はけっこう親切寄り説明的なカット+挿絵的な感じで抽象的な、というセレクトにしたつもりだったのですが、そもそもどっちも大して撮っておらず、いわゆるスナップ的な写真ばかりなのでこれも改善の余地ありですね。これまでの記事に比べるればセレクトが改善されているので若干マシですが、もっと出来るなあと思いました。
そんなわけで謎の一人反省会でしたが、ここに掲載できなかったんだけど写真としては良い感じじゃん、というのをまとめてPatreonに掲載することにしますので、興味のある方は是非どうぞ。