キャベツ劇場


 こんにちは。スタジオと自宅の往復を繰り返しながら、穏やかに年を越しそうです。というかお陰様で年が越せそうです。

 Patreon向けに2021年ベスト・オブ・ガリガリのセレクトをしようかな~! くらいしか年末年始の予定がございません。クリスマスも奥様に何か食べたいものは? と聞かれて「魚!」と答える程度にご縁がありませんでした。

 わたくしが暮らしている西東京シティーはキャベツと大根の名産地らしく、そのへんでやたらとその2つの畑を見かけます。

 農家の皆さんのご苦労いかばかりか、と思いつつ、農業については知識が全くないもので、「わーキャベツだー」という幼稚園児レベルの感想しかありませんが、被写体としてのキャベツはその葉がワックス的なもので覆われており、水をパチパチと弾く様や、時には畑で置き去りにされて朽ちていく様子など色んな姿を見せてくれます。もちろん写真の被写体としても申し分なく、通勤スナップ時にはよく撮らせてもらっています。近隣の農家の皆さんありがとうございます。

 というわけで今日はキャベツ劇場。

 写真って、「あるもの」をこちらの意図で色んな切り取り方をするちょっと変わった芸事でして、芸術だったり美術だったりという言葉を当てはめた場合は、そこを取り巻く人たちや市場もセットになるので「写真は美術足り得るのか?」みたいなめんどくさい話になりがちですが、とりあえず「撮る」「それを他人が見て何がしかを感じる」という意味では芸術足り得るのだろうなと思います。

 私が芸事と表現するのは、芸術という表現よりも卑近であり、より工芸に近いノリで良いじゃん、というニュアンスでありまして、私が日々撮り続けているのも「アーティストとしての私の表現!」という部分もないとは言いませんが、「被写体を前にした俺のウデ試し」みたいなところの方が割合としては多く、多分に工芸寄りだなあ、と思っています。

 撮られた写真をどうするか、どこの誰を対象に投げるのかによってまたそのあたりはグニャグニャ変わってきますが、2021年末現在での私の写真との関わりはそんな感じです。キャベツ、いいでしょ。


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