昨年、主催しておりますオンラインサロンで「合宿するか!」と鬼怒川温泉に集まり、写真を撮りまくるというのをやりました。
その際に撮った写真で今市がどんなところなのか、サッとご紹介しようと思います。
今市「市」
今市は現在、栃木県日光市の一部になっておりますが、Wikipediaによれば2006以前は市でありました。
私が訪れたのは鬼怒川に行く途中で「あっなんかスナップしたら楽しそうな街がある!」という偶然からでして、鬼怒川で2泊してさんざん撮ったあと、じゃあ帰りに良さげなあそこに寄ろう、と仲間たちと立ち寄ったのでありました。


スナッパー、スナップ写真を撮って喜ぶ人というのは変わったものでして、古いものを見ると喜んで撮ります。なぜなんでしょうね。
わたし個人としては、新品のつるつるしたものよりも、風雪にさらされたものの方が写真的には面白いからなんじゃないの、と思います。

きれいに区画整理された商店街の中の印刷屋さん、これが新築だったら「つるーん」としていて何も面白くないと思うんですね。
風雪に耐えてきたこと、まだ現代の建築とは様式がちょいちょい違ったりパーツが違ったりすることが写真にすると面白いんであります。
突き詰めると「ガラスが古い!」とかで喜べるようになります。

またストレンジなものを見て面白がる、写真に撮って見せて喜ぶというのはスナッパーに限らず人類共通の写真に対する動機のひとつなんじゃないでしょうか。おもしろスナック名は色んな土地に出かけて撮る際に良ネタとして無意識に探してしまうものの一つです。




こうやって時代を感じるものを拾い集めるようにして撮るのが楽しい。
スナップといっても内部には色んなジャンルがあるのですが、私が一番無責任で楽しいと思うのは旅先でのこうした古いもの探訪、取り集め式のスナップです。

こうしたデラックスな建物は「知らんがな」と思ってしまいがち。つるーんとしていて、撮っても何のテクスチャもないひっかかりもない、スナップ写真としては面白みに欠けたものに感じてしまうんですね。

それと比べたらほら、木とガラスが古い! というだけで楽しい。
下今市駅から今市駅
当日は車で下今市駅まで行き、そこへ車を停めて今市駅までの商店街および住宅地を往復した形になりました。

途中で見かけるこうした景色も、なんとなく撮ってしまうものなのですが後から見返してみるとその日、その場所でしか見かけない、撮れないものだったなと思います。



今市駅のあたりまで到達しました。

帰りは下今市駅に向かって北上します。
スナッパーとしては行きと違うルートで撮り歩きしたいもの。

まんまと渋い商店街を発見しました。
シャッター通りになってしまっているので地元の方からすると「あんまり撮らないでよ」と思われるかもしれないのですが、私からすれば「ありがとう! ありがとう!」とお礼を行って回りたいほど。
よく地方創生がらみで、活気がなくなった地方の町に人をお金を、という話になり、じゃあ何をネタとして売り出そうかという話になるのですが、古びた町をそのまま置いておいてくれればガンガン宣伝しますよ。スナッパーたちが訪れるように誘導する覚悟もあります。
訪れて撮ったスナッパーたちは放っておくと何も買わずに帰ってしまいかねないので、撮影料を徴収したって良いでしょう。もっといえば有料廃墟、有料廃村なんていうのもあって良いと思うんですよね。
もちろん撮影していいよ、となると今度はコスプレの人たちが押しかけるようになり、無茶をして撮影禁止になるというのが過去たくさん繰り返されてきたのでそのあたりは問題になるでしょうし、先日あちこち廃墟を撮り歩いていた方が廃墟内で転落死したというニュースも耳にしたところですから、慎重に検討するべきことではあると思うのですが、ぴかぴかの新しい建物を置いておけば人が来るかというと、そんなことはないと思うんです。



良いでしょう……。



という感じで、古びたものが撮りたいスナッパー的には大変素敵な町でありました今市。皆さんも機会があれば立ち寄ってみてください。