OLYMPUS OM-D E-M10 Mark IV + M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8


 先日、E-P7を久々に使ったらあまりに色味が良かったのに驚いてファインダーの付いたE-P7であるOLYMPUS OM-D E-M10 Mark IVを購入した。

 E-P7は私にとって初めてのオリンパス機であり、購入直後にYouTubeでレビューをしたり、このブログにも記事を書いたりしていたが、その後EM1Mk3を購入してしばらくみっちり使い込んだ後、久々に取り出してみたら「あれっ?」というほど色乗りが良く、解像の面でも気持ちが良い、1000万画素代だった頃のデジタル一眼レフのような写りで感心した。

 購入直後は手元にあったのがパナライカのレンズばかりだったのもあり、M.ZUIKO 25mm F1.8や75mm F1.8のような優れた純正レンズと一緒に使っていなかったのが、評価がずば抜けて良くならなかった理由の一つらしい。

 そうして改めて使ったE-P7の最大の弱点はファインダーが内蔵されておらず、外付けのEVFも用意されていないことだが、探してみるとスペック上ほぼ同じで、かつファインダーが搭載されたカメラがあった。それがOM-D E-M10 Mark IVである(以下EM10Mk4と表記する)。

 E-P7とEM10Mk4を比べてみると、画素数やバッテリーなどなどスペック面がほぼ一緒、操作系ともメニュー構成もほぼ一緒でバッテリーの蓋まで共通部品のように見受けられる。実際にEM10Mk4を後から購入して撮り比べてみても色味がほとんど同じで私は快哉を叫んだ。

 追加されたファインダーは微妙に緑がかっており、撮っていて気持ちが良い。小さいといえば小さく、倍率もそう高くはないのだが、たとえばLUMIXのGX7系やG9初代と比べると遥かに見やすく、必要十分である(ただMFは全般的にLUMIXのほうがやりやすい)。

 今日の記事では、このEM10Mk4と純正25mm F1.8、新品で3万円少々の地味な標準単焦点レンズとの組み合わせを見てもらいたい。

 オールドレンズを使ったときのような、収差に起因する味はないが、とにかく実直でよく写るし、淀みなく丹精で隙がない。ボケに頼らず、かといって何がなんでもパンフォーカスというわけでもない半端な撮り方がよく似合う。

 絞ろうが絞らなかろうが被写界深度が多少変化するだけで大差ないのも面白いが、元の描写が良くなければこのボケ量でも前後が荒れるであろうことは想像に難くなく、オリンパスのレンズ作りの巧みさに舌を巻く。

 色を撮ってみても、EM10Mk4の色乗りの良さと相まってこってりと気持ちの良い表現をするし、RAW現像でもほとんど手がかからない。

 最近、EM1Mk3をフルサイズ機と併用するのに意味があるのだろうかという気持ちになっていたところへきて、このEM10Mk4はバッテリー込みでも400gを切る軽量で、かつグリップも必要以上に大きくないのでコンパクトだ。ボディーが軽くなった分、むしろ明るい方の標準、M.ZUIKO 25mm F1.2 PROが欲しくなってくる。

 このセンサーは恐らく、より高機能、多機能を求められる新機種、上位機種には搭載できない低機能扱いのセンサーなのだろうが、色乗りの素直さという面では多機能を求められていないものの方が有利なように思う。それが冒頭の、1000万画素代のデジタル一眼レフのような印象に繋がっているのではないだろうか。

 もちろんMFTセンサーだから限界はすぐに来るのだが、フルサイズ機であっても全ての無理が通るわけではない。ボディーの軽さ小ささと比べれば、この画質はちょっと信じられないレベルで良い。

 しばらくこのカメラであれこれ撮りまくろうと思っている。


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