2017年に台北を訪れた時の写真を振り返った再セレクト再現像シリーズ、今回が最終回です。
「台北2017」タグにまとめてあるので他の記事はこちらからどうぞ。
個人的には、カメラ的にもRAW現像的にも編集的にも勉強になることがたくさんでした。
このジャーナルブログはWordPressを使っているもので、その範囲内でどう見せるか、というところに限定しているのも今のところ勉強がはかどりやすくて助かっています。べたっと文章と写真を並べるだけしか出来ないのですが、逆にあまりフリーハンドになりすぎると何をして良いか分からなくなっちゃいますからね。
次からはパリ2017編に突入します。セレクトが一番時間がかかるのね、というのも学び。
さて
台北にいる間、ちらちらとそのへんを散歩してはスナッピングしておりました。
なんといいますか、いわゆるちゃんとした写真家さんの場合、かっちょいいプリントを作るために良い意味で気取った感じのスナップ写真を撮る派の人と、いわゆるストリートスナップ、キャンディッド系の酷いところを狙いに行く派の人で大体分かれますよね。
私は自己像を「かっこいい写真家」でも「アンダーグラウンドなスナッパー」でもなく「ただのおっさん」と認識しているので、写真も欲のない、するっとした感じになるのだろうなと最近思います。
そういったアクがない、自己顕示欲がほとんどないこと自体がどげんとせんといかん対象であった時もあるのですが、このジャーナルブログを始めたことで「別にええな」と吹っ切れました。淡々と事実を伝える上で何かが勝手に乗っちゃうのであれば、それが作家性じゃんという感じ。
ですから今回、台北2017の写真を再セレクト再現像していても、「別に作品っぽくしなくても写るものは写ってんだから良いじゃーん」という気持ちでさっぱりしたものです。そもそもセレクトの時点で「作品っぽいやつ!」という視点で頑張って選ぼうとしていたんですが、撮る時点でさらーっと撮っているので、けれん味のある写真を撮る努力をしていないんですよね。
いわゆる作品としてだとか、Twitterで戦う用の写真というのであれば、そちらのほうに注力しなきゃならないのは明白なんですが、どうしても興味が持てない、さらにいえばそういう作品を通じてお友達になりそうな誰かという相手に興味が持てないんですね。
逆に淡々と、粛々と撮って選んで現像した写真を「いいねえ……」と一人で楽しんでくれる人がいれば私は満足なので、徹頭徹尾そこのラインでロケ地選定から全部していけば良いんだなあという風に思い至りました。ここまで3年かかりました。
いちおう野望らしきものはあって、アメリカ縦断か横断かしながら撮り倒し、またこのジャーナルブログの軸である「しごと」と絡めた記事を作りまくりたいなあ、と思っており、そこで撮った写真を写真だけでまとめるのも面白そう、と考えているので、そうなると写真は紛れもなく作品なのですが、「作品として!(キリッ」と写真を撮るのって向いてないんです。
逆にいえば作品を撮るよ、という時だけしかカメラを持っていないような撮り方ではなく、なぜか写真がちゃんと撮れるルポライターくらいのポジションで良いや、という風に思います。はい。
写真家として「うおおお!」って撮っていないからといって別に手を抜いているわけではなく、技術を持った人間が好きなように、心の赴くままに撮るとこうなるという事例を淡々と挙げるのも他ではなかなか類を見ないと思うので、そういう楽しみ方も歓迎です。

ですからこのポストの写真については、自分で再現像して台湾の空気を確認したかったというニュアンスが強く、初見で写真を見られた方にはちょっと申し訳ない部分もあるのですが、下手に作品らしくしよう! と色をねじくっていくよりも、こういうほぼストレートな姿に持ち込むRAW現像の方が、台北の暮らしがじわっと伝わって来るんじゃないかなと思っています。
台北って端的に何を撮っても茶色い感じがするので、観光ガイドであればそれをねじ伏せたRAW現像をして「明るくて爽やか!」を演出しないといけないですし、作品としてのスナップというのであれば他の作家さんと違う独自性をRAW現像でも打ち出さなきゃ、って思っていたんですよね。



この台北2017探訪から経験を積んだおかげで、観光ガイドにするならどう現地で動くべきか、パーソナルな写真表現を目指すならどう動くべきか、というようなあたりは経験を積めたので、早く次の場所へ行ってガンガン試したいところです。






というわけで台北2017、再セレクト再現像編はこれにて終了。
それではまた。