海鮮割烹一心 宇和島取材2022・その1


 こんにちは。今回から10回にわたり、2022年6月に愛媛県は宇和島で取材した「働く人たち」カテゴリーの記事を掲載します。

 きっかけは、私が「国内での取材先、どなたかご紹介くださらんか」とインターネット越しにぼやいていたところ、写真仲間であり宇和島で生まれ育ったしげさんという方が、「宇和島まで来てくれるなら手配するよ!」と声をかけてくださいまして、喜び勇んで撮影機材一式を持ち込んで取材して参りました。

 全10回の取材のうち、最初に伺ったのが今回の海鮮割烹 一心さんでありまして、大将の三浦さんはご紹介いただいたしげさんの同級生であり、地元宇和島で生まれ育った仲間。しげさんとはのっけから昨日の続きという感じで打ち解けた様子だったもので、取材開始に先駆けて多少緊張していた私もスッとお邪魔することが出来ました。

http://issin-uwajima.sakura.ne.jp/
海鮮割烹 一心 オフィシャルサイト

 事前にWEBサイトで拝見して知っていたのは、当代の三浦さんが二代目であること、2018年に親父さんから跡を継がれたことなどなど。またお店も見てのとおり、改築したばかりでぴかぴかの状態です。

 宇和島に来てあちこちでお話を伺う中で、必ずしもいわゆる伝統工芸的な仕事でなくとも、跡継ぎの話題になることが多く、愛知の田舎のサラリーマン家庭育ちのわたくし、周囲の人間も似たようなサラリーマン家庭に育った人間が多かったものですから、そのあたりの感覚がなかなか掴めません。

 大将の三浦さんも親父さんから跡を継いだわけですが、お店の改築をされるのにはやはり勇気が要ったとのこと。
 改築前は部屋数がもっと多かったそうですが、現在は部屋数を減らして風通しが良い雰囲気の間取りになっています。そういった面でも時代に合わせるべきなのか、それとも従来の形を維持するべきなのか。悩みは尽きないでしょうね。
 しかも一人で運営できるサイズのお店ではありませんから、一緒に働く従業員の皆さんの生活も守らなきゃなりません。今回はコロナ禍がちょっと落ち着いてきたな、というタイミングでお邪魔しているので、デルタ株が猛威を振るっていた緊急事態宣言下はどれほど追い詰められたか分かりません。

 実際、この取材もオミクロン株が流行り始める寸前に一度予定を入れてもらったにも関わらず、また緊急事態宣言発布か、というタイミングにさしかかってしまったので一度延期してもらっているくらいなので、観光客の足も遠のいていたことだろうと思います。観光客が来ないということは飲食店に足を向ける人も少ないわけで……という負のループ。恐ろしいです。

 とまあ、どうしてもシリアスな話になってしまいがちですが、大将は実に健康そうで明朗快活、初めてお会いして写真を撮らせていただく私にも快く応じて下さるナイスガイでした。

 「働く人」としての調理師さんは、写真を撮ることを専門にする私からすると完全にミステリーの領域です。お店が標榜している料理ジャンルがあり、常連が居着いていればその期待を裏切るわけにもいかず、かつ時代の流れに合わせ、新規のお客さんも掴んで行かなければ発展しませんよね。それに加えて衛生面への多大な配慮もあり、さらには生ものを扱うので仕入れもタイミングからして難しそう。

 おそらく大将の脳内では調理師の側面と経営者の側面と両方あって、それらがバランスよく活動されあているからこそお店がきれいに回っているのだろうと思いますが、写真に写せるのはその手がスパスパと魚を捌いていく手技のスムーズさくらいなものです。

 皆さん、宇和島城へお越しの際は名物・宇和島鯛めしの看板を目印に、海鮮割烹 一心さんでお食事なんていかがでしょうか。

 宇和島働く人たち取材、次回へ続きます。


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