ごあいさつ

 こんにちは。目につくあらゆるものを写真にする病気の職業カメラマンかつ写真講師であり同時にライターでもある伴貞良が、国内外で働くひと、仕事をテーマに写真を撮り、エッセイを綴る……ことを目的にしつつ、コロナ禍であまり無責任にあちこち出かけるわけにもいかねえなあ、というので近所を徘徊したりして写真を撮りまくっている伴貞良写真日誌です。

 これまでカメラマン業や写真講師業の傍らで延々と趣味的な撮影を継続してきました。

 趣味的な撮影は「撮ることが目的、目的は撮ること」という自家撞着のような状態でありながら、あちこちへ足を伸ばしてスナップしておりまして、その延長線上で何か面白いことは出来ないかと考えていたところ、以前からテーマだった「社会とそれを支える仕事」を旅と絡めて皆さんにお見せするのが面白いのではないか、と思い立ちました。

 そこで、メインテーマを「国内外の働くおっさんを撮る」に設定しました(カテゴリー:働く人たち)。日本も含め、色んな国や地域の色んな仕事のありようをストレートに撮り、読者の皆さんにお届けします。またその傍ら、訪れた土地の様子も写真でお伝えします。(カテゴリー:フォトジャーナル

 国や地域は違えど、家族を養い、共同体を支えるべく個々が懸命に仕事をしているのは同じはず。

 私も職業カメラマンとして10年以上に渡り、日本の社会で働く一員として関わってきました。取材撮影に行く先々で働く人たちの仕事に対する熱意を目にし、それを写真に納めることが、私にとっての大きな喜びです。

 また同時に、質の高い仕事をしながら私たち日本人がどうにも自分たちの仕事や社会に自信を持てず、その水準の高さに気づけずにいるのに歯がゆい思いをしています。

 私がさまざまな国を訪れ、現地で働く人たちの姿を撮影してお見せすることで、仕事に対してもう一度情熱を燃やし、働く気力を養ってもらいたいと同時に、これから現役世代になろうとしている若い人たちに向けても、能力をフルに活かして社会を一緒にぶん回して行きましょう、というメッセージを発していく所存です。

2022年2月12日 西東京のスタジオにて

伴貞良