こんにちは。当日ブログアップも夢じゃないぜ! 的なことを書いておきながら昨夜は具合が悪かったので思い切りパスしておりました伴でございます。
金沢行ってきた
7月の31日から新潟、金沢、金沢と滞在しておりまして、今日8月3日の朝一番で金沢を発ち、東京へ帰って参りました。
梅雨のおかげで乱れきった自律神経に旅はちょっと堪えたんでありますが、金沢での写真講師業を軸として色々と勉強になることがありました。
順序は逆になりますが、セミナー講師というのはもちろんわたくし、写真講師を業としているので何も珍しいことではありません。
やることはいつも同じ、「原理原則を大事にしよう」ですね。
お手本を提示して「これの撮り方」とやるスタイルではなく、撮るのはあなたなんだから、自分で考えて作れるようにならなきゃ意味なくない? そのために明日から素振りをする方法を仕込みますよ、という感じ。
生徒さんには女性の方もいらっしゃいまして、女性だと「女性だから」というので勝手に変な容赦をされてしまったりすることもあるようですが、私の方では特に気にしません。写真は誰でも撮れますから、あとはその人それぞれのやり方を見つけるだけ。
女性の場合、男性のカメラおじさんたちの間に入ってしまうと、専門用語に翻弄されてしまう人がいらっしゃるんですが、あれはおっさんたちの間でだけ通じる特殊な言語であって、機材が好きな人でもないかぎり別に覚える必要はないと思うんですね。おじさんたちは努力しなくても機材が好きすぎて自然と覚えてしまうんです。私も当然そうです。
もちろんより突き詰めたい、なんならプロになりたいという人であれば、じゃあよりマシな画質で撮るにはこの機材の方が良いんじゃないか、こっちの方が壊れないからコストが安いんじゃないか、というようなことが出てくると思うのですが、まずは「撮れる」ことの方が大事ですから、何も臆することはありませんよ、というようなお話を今回もいたしました。
主催のお二人、非常にきびきびと、かつ細かい気遣いで生徒さんたちに対してもモデルさんに対しても私に対しても素晴らしい仕事ぶりでもてなしてくれまして、初回からあれだけきちんと出来る人も珍しいと思います。是非また面白いことが一緒に出来たらと思います。

ジャーナル化を加速したい
さて、新潟と金沢というか新潟県上越市と石川県金沢市しか実質行っていないものでその2つの市をウロウロしてきた目的の一つがこのジャーナルでの記事化であります。
写真ブログってほら、ただ撮りたいものを撮って写真をアップしておしまい、みたいになりがちですよね。それでももちろん面白ければ人は来ると思うのですが、私の場合は渋い感じの写真が多いもので、あまり人が来るとは思えません。
私がやりたいことを簡潔に表すと「一人ナショジオ」であります。
写真で何かをレポートする、だからフォトジャーナルという名前になっているんですね。
まだこのフォトジャーナルは走る実験室の状態でありまして、今回は遠征して撮ってブログにするとどうなのか、何が足りなくて何が過剰なのかを知る機会でありました。
今回撮ってきて、写真と文章それぞれの役割やバランスであったり、撮る切り口(立ち位置)、文字の情報をどれくらい親切に入れるか、最後にそもそも何を撮影対象として選ぶのかが、今後フォトジャーナルを運営していくうえでの課題といいますか条件として見えてきました。
いま思い描いている理想としては、国内であれば国内、どこかの県なり市なりの範囲を限定して、そのエリア内を転々としながら写真を撮り集めていくのが楽しそうだなと思っています。
写真で地域や、その地域が持っている空気を説明するのがやっているこちらとしては一番おもしろい部分であり、かつ記事をいくつかまとめ易い上に、取材も単発の取材で東京と行ったり来たりするよりもまとまりやすいんですよね。
ですから、岩手なら岩手、四国なら四国、という風にしばらく潜伏して撮りまくるのが面白そうだな、という風に考えています。
潜伏撮り
ただ、どこかの地域をひたすら撮ったからといって面白い記事になるとは限らないわけで、ネット上では色々なブログがそれぞれに軸を持って運営されており、私も見る側として色んなブログを巡ってみると、軸がはっきりしており、かつ軸そのものがコンセプトとして成立しているものが印象に残りやすく、また次回も行ってみよ、という気になります。
コンセプトが面白いブログ、というのでパッと思いつくのは、「Planar 85/1.4 & 1.2 開放劇場」ですね。カメラ機材ネタではあるのですが、Planarというレンズの絞り開放で撮った写真のみが掲載されているブログで、コンセプトは明快、かつ写真も味があって素晴らしいんです。
いつも誰かにコンセプトっていうのはどう決定したら良いですか? と聞かれた時、私自身は「他人に簡単に説明できて、かつ見たくなるようなのが正解だろうね」とお話しています。
このフォトジャーナルについては、現在のところ「伴貞良っていう人が写真をアップしている」がコンセプトということになるでしょうから、そこにもうひとつ加えたいんですね。
伴貞良っていう人が村を巡って風景写真をアップするブログ? 違うよなあ……という風に考えていくと、私が見たいのは、色々な地域を巡り、かつその地域の人の暮らしが見える写真です。
ただ町並み、家並みを撮るだけでも歴史や風俗は見えるのですが、やっぱり人間が見たいんですよ人間って。
ですから、どこかの地域へ出かけて、そこに暮らす人を撮りつつ、風景やガリガリも撮り、猫がいれば猫も、アルパカがいればアルパカも撮っていけたらなあ、という風に考えています。
難易度高し
実際に旅先で人物を撮るのって、こと日本国内においてはなかなかの難易度です。
日本人は自己肯定感が低く、かつ写真を撮られて残すことが栄誉である時代が終わってしまった国です。だってカメラってだいたい日本製ですからね。日本人が一番高性能で「押せば写る」性能に近いところにいますから。
さらに仕事をしているところを撮らせて、というのは会社づとめの方はいきなり声をかけても、まず無理。俺を/私を撮っても面白いのか? って言われたり、会社の許可がないとめんどくさい、というのも多いです。
面白いのは、写真を撮っている人も撮っていない人も、実害がないのにいらん苦情を入れて写真を撮らせないようにする傾向がどんどん加速しているんですね。これはほぼ東京に限った話のようですが、世界中で日本だけじゃないかなあ。
かといってそのへんで子供を撮ろうものなら即座に通報ですよ。これは小さい子を狙った変態が過去にたくさんいたからなのでしょうが、純粋に写真を撮りたい人間からすると「お前らよお……」という気持ちです。
そこをなんとか乗り越えて合法かつ誰も傷つかないで写真を撮ってくるのは至難の業ですが、だからこそ面白いっちゃ面白い気もしています。
一人でメディア運営すると、予算と取材の頻度がネックになってくると思いますが、どのみちもともとそう儲かるものとも思っていないので、趣味半分で楽しみつつやろうと思います。