Relux Delux 2023 : AFE取材記


 アメリカ文化に傾倒している人々を取材して回るAmerica in Far East取材記、今回はアメ車と空冷VWの祭典、Relux Deluxにお邪魔してきた。

 このイベントについては、Hot Bunny Dinerへ取材に伺った際、Tomoさんに教えていただいたものだった。instagramにもアカウントがあり、私のAmerica in Far Eastアカウントのタイムラインに度々流れてくるのですぐさまフォローして、開催直前に取材のお願いをすると、お忙しい中だろうに、すぐさま「ご自由に」と返事を頂いた。太っ腹である。

主催はこちらのStrongers Kar Klub

 会場は愛知県蒲郡市の海陽町というところにあるトヨタのヨットハーバーだった。

 なんとか駐車場に車を停めて入場してみると、そこら中にアメ車が停めてあり来場者の皆さんが好きにスマホで写真を撮っている。私もその中に混じって優美なカーブのアメ車の数々を撮らせて頂いた。具体的な車種について知識がないので、ふわっと「カッコいいなあ」というモザイクがかかったレベルの低い解像度でしかないのだが、写真の被写体として申し分ない。ただ撮っているだけで楽しい。

映える車

 わたくし伴貞良、アメ車には特に縁のない人生を送ってきた。私の人生でアメ車と触れ合った機会といえば、若い頃アルバイトしていた会社が借りていた倉庫の隣がアメ車屋の倉庫で、古いコルベットがあったのを「カッコいいなあ」と眺めていたらそこの社長に「安くしとくよ」と誘われた程度で、乗る機会も買う機会も、それに至る強烈は動機もないままに生きてきた。もし間違って大金持ちになったらデロリアンには乗ってみたい。

 そんな丸出しのアメ車素人が会場をウロウロしてみたところ、非常にわかりやすく目を引く車両があった。ピンクのキャデラックだ。

取材の境界設定

 America in Far Eastは写真多めのルポルタージュをやろう、というところからスタートし、対象をウエスタンと50’s界隈にしていたのだが、一旦50’s界隈を重点的に取材してまとめてしまおう、というのと、せっかく映える被写体がたくさんあるのだから写真主体のフォトエッセイにしよう、と方針を微妙に変えて現在進行中なのであるが、それに加えて今回Relux Deluxにお邪魔したことで50年代アメ車やその界隈のことは取材対象とするのが案外難しそうだと思うようになった。

 以前からアメ車のオーナーの方に何人かお会いして聞き取りをしてみたことがあるのだが、古めの車両に乗っていたり所有していたりしたとしても、それが理由でその車の年代のアメリカ文化に強い興味を持ち、傾倒しているかというと案外そうでもなさそうなのだ。

 つまり50’s趣味の一環としてアメ車があるというよりも、アメ車が好き、という方が強いらしいのである。必ずしも全員そうではないだろうから注意深く取材対象を探す必要はあるが、アメ車好きの皆さんはほとんどがアメ車そのものに強く惹かれており、その背景に対しては車に対する興味、憧れほど強烈でなさそうな印象だ。

 そういう点から、アメ車もハーレーも憧れより現物が強い感じがするので取材対象になりにくいのかもしれない、と思う。ハーレーのオーナーたちもハーレーが好きであって、アメリカ文化に対して好ましく思っているのはほぼ間違いないものの、身も心もどっぷり、という感じではない人がほとんどである。

 また同時に、フォトエッセイとしても下手に絵力が強いアメ車やハーレーを扱ってしまうと、人間よりも車両のカッコよさを題材として扱っているものという印象を与えかねない。こちらが撮りたいのは飽くまで人なのである。

 こうして何かしらの形で情報をまとめようとすると、どこからどこまでを範囲とするのかの判断が常につきまとってくるが、今回Relux Deluxにお邪魔したおかげで一つ確認できたし、それはスパッと取材許可を頂いた運営の皆さんのおかげである。機会を与えていただいたことに感謝しつつ、今回の取材記を終えることにする。


コメントを残す