最近音を録っておりまして。

 趣味としてフィールドレコーディングを始めてみよう、と最近急に思い立ちまして、録音関係のことをあれこれ調べております。

 写真を撮るのはもう完全に病気のレベルに達しているので、いちいち「よし写真を取ろう!」とかそういう風に考えるものでなくなり、ちょっと寂しいんですよね。機材もNikon Zレンズを使っているとレンズの性能については「行くところまで行ったなあ」「これ以上面白いことって起きるの?」という感じがしますし、国外に出て撮り倒す機会もまだまだ巡ってきません。国内ですらおぼつかない状態です。

 そんな中、そういえば明確に趣味としてなにかに取り組むのも悪くないなあ、というのでフィールドレコーディングをやってみたくなりました。よくよく考えると写真→動画→音声という感じで繋がってしまっているので、あんまり趣味っぽくもないんですけどね。リリアンを編むくらい遠いと本当は良いのかもしれません。

フィールドレコーディング

 フィールドレコーディングは文字通り屋外で録音すること全般を指しているので、録音対象は鳥、川のせせらぎ、雷雨、都会の雑踏、市場の喧騒、そしてもちろん電車のあれこれなど雑多、雑駁でありまして、その様子はさながら写真でいうところのスナップみたいなものだな、と思います。

 私自身はもともとギターを弾いておりまして、その延長で録音にもちょこちょこと手を出し、20代終わり頃にスパッとギターをやめてカメラマン修行に入ったのと同時に録音機材もすべて売り飛ばし、その後10年近く経ってからYouTubeを始めたので、動画を録るついでに音声も多少録りますよね、という程度の関わりまで戻ってきておりました。

 ただこの音声との久々のお付き合いは、先述の通り録音のついででしかなく、最終ターゲットがYouTube程度のものなので、音質が許せる限り価格が安く、かつ少ない手間でYouTubeにアップロードまでこぎつけるという2つの点でローコストなものを狙う形でやってきました。

 そもそも動画のあれこれがぜんぜん好きになれないもので、音声については仕方なくやる手段としての動画の、さらについで、という可哀想なポジションでありまして、しかもわたくし別にオーディオが好きということもないものでハイレゾ音源を買ってみたり、ヘッドホンに凝ってみたりということもありません。

 そんな私がなぜフィールドレコーディングに興味を持ったかというと、作業用BGMとして良い感じのざわめきが欲しくなったからです。

ZOOM F1とXYH-6が既に手元にあるのも趣味としてスタートしやすいところ。

だが志は低い

 自分がPCに向かって作業する際の作業用BGMが欲しい → それを自分で録ったら楽しそう → 国内外問わずジャーナルブログの取材であちこちに行きたいから、行った先々でレコーダーを回していけば、色んな土地柄がアラカルト状態で楽しいんでは!? → きっとYouTubeにでもアップしておけば、同じようにあちこちのノイズが欲しい人の役に立てるに違いない、という風にちょっと夢が広がっておりまして、趣味とはいえ「あちこちに行ける」「しっかり録音出来る」の2つが重なる人は意外と少ないでしょうから、特色を持つという意味でも楽しそうだなと考えています。

 ただ録音そのものについては、そんなに大それたことを考えているわけではありません。ちゃんとしたリニアPCMレコーダーとマイクで録る、というだけのことで、その先は問題が起きるたびに対処する形であれこれ覚えていくのだろうと思っています。そもそもある程度やらないと問題を問題として認識できません。

 現状、私の録音にかける情熱は、まるで自分のスマホの壁紙にかわいい猫の写真が欲しいから撮る、みたいなレベルなのですが、とりあえずまだ何も出来ないんだからそんなもんで良いんです。

 本業は飽くまで写真を撮ることと自分の考えを述べることなので、それ以上になってしまってはよろしくありません。旅先にごついスチル撮影セットとごつい録音セットの両方を持ち込むほど体力がありませんしね。

 ですから機材面でも、バランス出力のマイクが使いたかったり、より高性能なマイクプリを搭載したレコーダーが使いたいのは山々なのですが、まずは始めてみないと分からないのでZOOM F1で近所の音を録るところからスタートしてみています。

手法

 数年前、2017年だったでしょうか、自腹で撮影のためだけに海外に出てみようと思い立ちまして、友人二人と台北に行ってみたことがありました。こちらのギャラリーがその時のもの。当時としては多少思い切った行動でした。

 同行した友人の一人がBo-z EXPというフィールドレコーダーでして、彼はYouTubeで私がアップする動画で毎回オープニングに入れている音も作ってくれている人です。動画の概要欄に毎回クレジットを入れているので、名前に見覚えのある方もいらっしゃることでしょう。

新北市にて。後ろの赤いのがBo-z EXP氏その人、もうひとりが後輩のウルトラ雨男氏

 台北のあちこちで一緒に撮影&録音しまして、なるほどフィールドレコーディングというのはこうやってやるんだなあ、という実際の姿であるとか、そもそも環境の中から音を見つけて録る芸事があるのか、というのを教えてもらっていたことが、最近になって自分でもやってみたいと思うきっかけになったのは間違いありません。

 フィールドレコーディング界隈の情報は、写真界隈、とりわけスナップ関連の情報と比べても恐ろしく少ないので、最初から情報を共有できる仲間がいるというのは非常に心強いところです。

 楽しめる趣味があるというのは良いですね。写真が趣味だったのが、あまりに本業になり、果ては当たり前のものとして身体に組み込まれてしまったので、別で趣味を探す羽目になりましたが、録音と写真の相互作用もありそうで今後が楽しみです。

 それではまた。

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