アメリカ文化に強く影響を受けている人を取材して回るAmerica in Far East、今回は愛知県豊田市のHot Bunny Diner(ホットバニーダイナー)で行われたイベントにお邪魔した。
経緯と会場
以前伺ったNAGOYA CREAM SODAのJ.Dさんから、名古屋でジャイブを踊っている人たちがいるよ、というのでご紹介いただいたブルさんが、50’s好きな人の集まるパーティー・イベントがあるので良かったら、とお誘いくださったので前のめりで参加である。ブルさんはJIVE clubというジャイブ団体の方である。

当日は会場に着いてみて真っ先に目についたのは、ステンレスとネオンで外装を彩られたアメリカンなダイナー、そして駐車場に並ぶ大きくカラフルなアメ車の群れだった。


会場内にはブルさんを含め初対面の方しかいないのだが、最初からなんだか仲間感のあるアットホームな雰囲気で居心地が良い。これまでお会いした50’s界隈の皆さん、排他性というものが全くない。どなたも暖かく迎えてくださる。
主催者であるHot Bunny Dinerオーナー店長さんに挨拶してダイナーの中を撮らせてもらうと、内装の気合の入りっぷりにこちらのテンションまで上がってくる。




一人の野良おじさんカメラマンとしてはトロピカルな内装に気圧されてしまいそうなものだが、そうはならずなんだかポジティブな気持ちになれるのが不思議である。アウェーを感じにくい秘密でもあるのだろうか。
出店者の皆さん
ダイナー内および隣の大きなガレージに、アメリカ文化つながりで様々な出店がされていた。あまりに写真の点数が多くなってしまうので、詳細はinstagram#bunnyspinuppartyタグをご覧頂くとして、ここでは泣く泣く抜粋して掲載する。







出店されていた中でも、その場で手を動かすタイプの仕事をされる方々はカメラマン的にグッと来る被写体である。今回は50’sピンナップガールのヘアメイクをその場でしてくれるSHIGEMI KAT CUT、タトゥーのDORESSCODE TATTOO、ピンストライプを描くMAKOTO M&K CUSTOM SIGNSのお三方が出店されていた。もっと丁寧に撮りたいのだが、イベント中なのであまりお邪魔しても申し訳ない。






ピンナップというコンセプト
出店者の皆さんにお話を伺うと、アメリカ50年代文化の中でも、さらに詳細にヘアメイク、アパレル、ダンス……と情報が飛び出してくるので取材しているこちらとしても大変やりがいを感じる。アメリカ50年代界隈ほど厚みをもって日本で愛好されている文化もなかなかないのではないだろうか。比肩するのは、それこそウエスタンくらいのものかもしれない。
今回のイベント名にも入っているピンナップという言葉ひとつとっても、界隈の人達の中ではすでに概念として定着しているらしいのである。であればそれを私も可能な限り精確に理解し、外部の人間が理解できる言葉に変換し、写真で補強して伝えなければならない。

ジャイブ
イベント開始から2時間ほど経った頃だろうか、今回の取材のメインであるジャイブレッスンが始まった。
ジャイブというのは辞書的な解釈によればジルバから派生したダンスの一種で……ということらしいが、踊れない私には何のことかよく分からない。ロカビリーおよび50’sファンの皆さんにお話を伺ったところによると、ロカビリーでダンスするのはツイストではなくジャイブなのだという。





当日ブルさんに伺ったところ、ツイストは一人でも踊れるがジャイブは男女ペアでないと踊れないのが最大の違いとのこと。これは私のような素人にも非常に分かりやすかった。たしかにツイストを踊っているローラー族の皆さんは、必ずしも男女同数ということはない。
ただジャイブについては私がまだ肝の部分を掴めていないので、また機会を頂いて撮影したい。現状「くるっと回ってスカートふんわり」「とにかく楽しそう」くらいの解像度しかないのである。
アメ車
また当日は各種アメ車のオーナーさん方が自慢の愛車で乗り付けられており、会場で勝手にパチパチ撮らせていただいた。私個人としては、50年代のデザインも好きだが、70年代マッスルカーに魂が震えた。私も70年代生まれだからだろうか。









最後に
といった具合で、数時間滞在しただけの筈なのに情報量が非常に多く、また素敵な被写体を好き放題撮らせていただいて至福のひと時であった。今回はまさに取材という感じで、得た情報を元に今後またルポ(というより写真比重を高める方向にシフトしたのでフォトエッセイになりそうだ)の方向性を考える上で素晴らしい機会を頂いた。
最後に、パーティーを楽しむ参加者の皆さんのギャラリーで締めにしたい。男女年齢問わず皆さんおしゃれで絵になる上に、大人がこんなに人生を楽しんでいる姿を近来見たことがあっただろうか、と自問するくらい、少年少女がそのまま大人になったような良い笑顔がたくさん見られた。











イベントといえば写真・カメラ界隈のものにしかここ10年ほど接点がなかったが、こういうスタイルの楽しい日曜日の過ごし方もあるのだ、という発見をしただけでもなんだか人生で得をしたような気持ちになった。関係者各位に感謝である。
instagramに当ブログの出張所、@americainfareastアカウントを開設した。
そちらでは記事中に掲載しきれなかった写真をアップしていく予定。個人へのタグ付けも、ブログでは膨大なリンクになってしまうのでそちらに譲る。
次回の取材記をどうぞお楽しみに。
1 thought on “Bunny’s Pinup Party :AFE取材記”