欲しいんだけどなかなか買えないポメラ


 文章を書いて収入を得るようになってから10年ほど経っているのに最近気づいた。

 そういえばテクニカルライター業を撮影業の合間にやっていたり、オンラインサロンも延々と週5回平均で会員向けブログを書いている。読む時間を取り過ぎてもいけないので文字数には気をつけているが、テーマによっては数千文字に及ぶことも珍しくない。

 そのため、入力環境には多少気を使っており、キーボードは東プレのRealForceというちょっとお高いものを使っている。残念ながらこれは製品として素晴らしいものの、私個人としてはもっとキーのストロークが短いもののほうが好みのようで、ノートPCで打ち込んでいる時の方が無心になれるからそのうち買い替えるつもりだ。

 以前からテキストを打つのに気になるツールがある。キングジムのポメラシリーズだ。最新版はDM250というモデルである。

オフィシャルサイト
https://www.kingjim.co.jp/pomera/dm250/

 このポメラ、一体どういうものかというと、要は昔懐かしいワープロからプリント機能を省いたものである。ただひたすら文字入力をするためだけのマシンで、他には一切機能がない。その潔さに心惹かれるのである。

 最新型のDM250は文字入力が出来る「だけ」といっても、シナリオモードや原稿用紙スタイル、縦書き入力への対応など多様化しているが、それでもテキストを入力する以外の機能はない。せいぜいスマホに転送できるくらいのものである。

 現在の私の文章仕事はブログへの投稿がほぼ100%であり、HDDに保存している写真も一緒に掲載するのでデスクトップPCから書き込むのが一番合理的だ。ノートPCで打ち込むこともあるが、ブログの場合はまず間違いなく写真を掲載するので一旦保存してデスクトップPCで再度開くか、写真を何かしらの方法でノートPCに転送しておかなければならず結構面倒である。

 ということは、ポメラを手に入れたところでブログを書こうとすると手間が2つも3つも増えて何も良いことがない。写真・カメラのテクニカルライターの仕事も、まず間違いなく写真を一緒に扱うので、最終的な納品の時点では文章と写真が別々のファイルだとしても、書いている時点で同じPC内にネタとなる写真がないと不便で仕方がない。

 ポメラはインターネットに接続できないスタンドアローンであることが素晴らしい。ぱかっと開けばすぐに起動するそうだから旅先でのメモにも良いかもしれない。DM250は常に文字数を表示する機能もあるらしく、これはライター仕事をする際も強力に役に立つが、テキスト以外のファイルを扱ったり、ネットに接続して調べ物をしながら書くような用途には向かない。むしろ不便さを楽しみ、自分を書かざるを得ない環境に追い込むためのツールだろうと思う。

 文章仕事をWindows PCでする上で、あまりしっくり来るワープロソフトに巡り会えていないのもあり、無心で文字を打ちまくれる環境を常に欲している。そのたびにポメラがチラチラと視界に入るのだが、結局いつも「ちょっと不便でもGoogleドキュメントで良いか」となってしまう。

 最終的に私がポメラを買う日がくるのだとすれば、それは文章だけで成立する仕事をするようになった時だろう。その日のためにどんどん書いていこうと思う。

そういえばnoteでウラジオストク訪問記を書いて売ったこともあった。


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