Patreon停止

 その週に撮ったスナップ写真からピックアップしてパトロンと呼ばれる支援者に送るサービスをPatreonというサイトで運営していたのを停止することにした。

 Patreonという場があったおかげで日々のスナップ写真を撮るのに張りがあったのは間違いなく、また毎月毎月支援者が定額課金してくれる収入も大変ありがたいが、気づくとPatreonのため、という枠を超えてスナップしすぎてしまい、身動きがとり辛くなってしまっていた。

 目的を持った定期的に公開するスナップというのは、連載を抱えている小説家みたいなもので、好きなものを好きなように撮って編集も自分でするので外部からの圧力を感じることはないものの、定期的に一定のものを出さねばならないというプレッシャーがあり、そこへそもそもスナップを撮るのが好きだから過剰反応して撮りすぎてしまうのだ。

 人間様々な中毒があるが、アル中の人間に「もうやめておいた方が良いですよ」と諭したとして、酒を飲むのを止める者はまずいないだろうと思う。言って止められるなら中毒ではない。私もスナップ中毒みたいになっており、中毒症状の中にいる間はたいへん心地が良いのであるが、こればかりしていると今は良くても10年後に後悔しそうなので、ここらで一旦過剰な撮り方をやめることにした。

 毎週毎週、無闇に繰り返していたスナップの目的がYouTubeでするレンズやカメラのレビュー程度しか目的がなくなり、つまり大半は目的のない、撮っても撮らなくても良いスナップに戻る。この隙間を使ってテキストを大量生産しなければならない。

 考えてみれば写真講師の仕事も、写真を撮る能力が必要なのは間違いないが、それを言語化してこそ講師なのである。だから写真に食わせてもらっているよりも日本語に食わせてもらっている割合の方が大きいのかもしれない。

 数年にわたってお付き合いいただいたパトロン諸氏にここで謝辞を述べる。

コメントを残す