M.ZUIKO DIGITAL 75mm F1.8

 ここしばらくソニー製のカメラをあれこれ使っていたが、久々にオリンパス(OMDS)を使って「やっぱり凄いな」と驚かされた。特にこのレンズの存在がシステム全体に対してぴりっと効いている。

 M.ZUIKO DIGITAL 75mm F1.8は35mm判換算で150mm、被写界深度基準で揃えるならF3.6あたりの望遠単焦点レンズである。

 フルサイズで150mmの単焦点というと、「うっ狭い」とのけぞりながら使うように思えるが、MFTで75mmは意外に広い。これは何がどう作用しているかよく分からないが、旅行にSigmaの135mm F1.8 Artを持って行ってその使い辛さに驚いたのと比べると、さらに画角は狭いはずなのに格段に使いやすいから不思議だ。

 恐らく軽く小さく、かつ最短撮影距離が0.84mと短めに設定されているのでトータルで気楽に使えるのだろうと思う。最大撮影倍率は0.1倍だ。

 またOM機全般(といっても私のところではEM1Mk3とE-P7、EM10Mk4でしか使っていないが)と相性が良く、色もトーンもこなれていて使いやすい。現像の手間がほとんどかからないし、線はいたって細く、よく解像する。

 EM1Mk3どころかE-P7と合わせて使っていても、こともなげにピントを合わせてきちんと解像し続けるのは地力の高さを感じさせ、下手なフルサイズよりもハラハラさせられないので快適である。フルサイズ機の大きくきれいなファインダーは撮影時に気持ちが良いが、実データがちゃんと撮れているかどうかはまた別の問題だからややこしい。その点、OMDS機は外しにくいから信頼度が高い。

 私の場合、OMDSのMFTでスナップ機材を考える際は、このレンズがキーとなって整理しやすい。ボケと背景の整理がしたい時はまっ先に候補に上がる、標準画角の次に必ず入るレンズであり、信頼している。

 このレンズを一言で表すなら、「大人しいがよく分かっている」レンズである。

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