Fujifilm XF27mm F2.8(旧型)

 最近愛用しているX-M5に合わせるレンズとしてはこれがベストなのではないか、というのを、過去に使っていたXF27mm F2.8の写真を発掘して強く思った。

 残念ながらこのレンズを所有していたのは数年前、X-E3やX-H1と一緒に使っていた時のことで(だからレンズの写真はない)、しかもかなり短期間だったようなので記憶が定かでないのだが、写真を発掘してみたら、いわゆるパンケーキサイズであることも手伝ってか身軽で闊達、しかもシャープで鮮やかな写真があれこれ見つかって感心している。

 現在はXF27mm F2.8 W WRという形にリニューアルされているが、絞りリングと防塵防滴が追加されたものの光学系は同じらしい。ということは、鏡筒内部の反射具合に変更がある可能性を除けば写りは一緒ということだ。これはXF35mm F2 R WRとXC35mm F2の関係に似ている。

 私個人としては、防塵防滴が期待されるようなエクストリームな環境で撮ることはまずなく、特にX-M5と一緒に使うのであれば「雨が降ってきちゃった」「じゃあ帰るか」と言えるようなのんびりしたスナップに使う前提なので古い型で十分だ。

 ただ、その古い型ですら日本中どこを探しても在庫がなく、中古も新品の価格を上回る勢いで強気な出品ばかりである。さすがにちょっと買う気がしない。もちろん旧型がないということは新型などもっと在庫がない。

 新型の新品も5万円そこそこで買える利幅の小さなレンズだから、メーカーとしても死に物狂いで作って市場に流す気迫はあるまい。それなのにレンズの写りがやたらと良いものだからよく売れてしまうというパラドックスに陥っている面白いレンズだ。

 使用感としてはAFがうるさくて遅かった、X-H1と使うとレンズが小さすぎ、軽すぎてアンバランスだった(X-E3ですらボディーがかなり勝っていた記憶)、というのが朧気に残っている。ボディーに対してレンズが小さすぎるのは個人的にあまり好きではないから、それこそX-M5と組み合わせたら素晴らしくバランスが良くなりそうだ。

 あとは作例から見ると近接で後ボケがきれいとは言えない、周辺がパンケーキレンズだけに甘いところがある、といったところだが、このレンズの長所である「やたらと鮮やかで良い」で覆い隠せてしまう小さな欠点であるように思う。27mmという焦点距離も日常スナップをしていて大変使いやすい。

 可能であれば早く手に入れてX-M5と一緒に使いたいものである。